開運して陥る≪への字の運≫

どうにもこうにも人の運は順調に進まないようです。
折角、吉方を使って良くなってきたのに、自ら凶方を犯して開運を中断させてしまう。
そんな勿体ない事例について見ていきましょう。

これは開運あるあるです。

開運法を使う前は、何とか吉方転居をして人生を良くしようと頑張るもの。
鑑定で言われたことを極力守り、忠実に実行しようとします。
けれども、開運転居をして時間が経過し順調に人生が動き出してくると、人はそれまでの忠実さや謙虚さが薄れ、何事も自分の都合の良いように考え出す傾向にあります。

1つの事例を参考にしたいと思います。

ある方は他所で気学の勉強をされていて、引越しをするために当会の開運鑑定を受けられました。
世間の気学判断では凶方になる方位を当会から吉方転居に勧められ、さぞ内心は困惑されたでしょうが忠実に実行されました。

市井の気学理論で考えても絶対に吉方と判断しない方位に吉方転居をするのですから、恐らく半信半疑…というより恐怖のほうが大きかったでしょう。
それでも当会を信じて実行いただけた、その決断力はお見事です。
毎年のお便りで順調にいっている旨のご報告もいただき、こちらも安堵しておりました。

ところが、それから10数年が経過し、再転居したとのお知らせが。
案の定、市井の気学判断で吉方とみる方位に引っ越されておりました。が、当会では逆の判断をします。

「あ゛ぁ~ 残念…」
内心そう感じたものの、これもその方の運だな…と思うのでした。

この方なりに人生が順調に進んでいるため、自己判断で転居しても問題ないだろうと考えたのかもしれません。

だとしても、一般的な気学判断ではない指導によって運が安定化してきたのですから、慎重な方なら更に安全を期して万全な開運法をお使いになることでしょう。
そうした謙虚さや初心は、人生が順調にいくほど失われやすいものです。
改運が途中で中断してしまうのは非常に勿体ないことですが、それもその方に必要な人生プロセスと解釈するしかありません。


人の心は、状況次第で如何様にも変化します。
ゆとりが出ると生活の質だけでなく、心も大きく膨張しやすくなるのが人間です。

この心の膨張を極力抑えることが開運状態を長く持続していく秘訣なのですが、これがとても難しい…。
人間はどうしたって欲があるので、自分は気が付かなくても時に墓穴を掘ることもあります。


この例のように、折角上昇した運が自らの判断や処世によって下降に転じてしまうことはよくあり、これを祖父は【への字の運】と言っていました。

思うままに行動することは誰しもありますが、順調な時ほど自己判断を過信しやすく、客観的な視点が持てなくなります。そうすると自分にブレーキを掛けられず、道を外すこともしばしば。

ですから、どんなに改運して順調になろうと成功しようと、常に謙虚さを忘れず、冷静に物事をみる心の有無が開運状況と人生を左右するとも言えます。
意識しなくても、そうした処世を自然に行っている人は、仮に道を外しそうになってもご自分で軌道修正するセルフコントロールが働くため、大事には至りません。

気学なんて知らなくても、世の中にはへの字の運を地で行っている人がたくさんいます。
そうした方々の人生を反面教師に、淡々と自分の人生を進もうと思うのでした。

本日もご覧いただきまして有難うございました。


タイトルとURLをコピーしました