順調過ぎる落とし穴

突然ですが、あなたの人生は順調ですか?

そう聞かれて、「はい」と答えられる人はそう多くはいないですよね。
「まぁまぁ」とか「全然」と答える人が大多数かと思います。

この回答から大まかにでもその方の人生を想像してみました。

◆「はい」と回答できる人は、今まで生きてきた中で特別大きな壁や問題に遭遇しなかったか、または遭遇してもポジティブな考えと行動力で乗り越えてきた人。努力が実り納得の生活が送れているか、そこまで至っていなくても人生の手ごたえを感じている人。

◆「まぁまぁ」の人は、人生の荒波に揉まれて紆余曲折を経験している人。苦労もあるが幸せがないわけではない平均的な人生を歩んでいる人。一番のボリュームゾーンがこのタイプではないでしょうか。

◆「全然」の人は、他者と比較して自分を卑下している人。人生の選択において失敗が多かったり、辛い経験から前向きになれない、生活していくこと自体が困難である、親子関係から上手くいっていないというケースも。

これはあくまでも私の推測ですし、実際の人物像にはかなりの幅があると考えますが、大きく外れてもいないのではないでしょうか。
そして、上記3つの中では「はい」と回答した人が一番充実した人生を送っていて、今後も幸せな暮らしが続いていくのだろう、と考えがちです。
しかし、そこが盲点。
むしろ、人生が順調ゆえに逆に落とし穴にハマるケースがあるのです。

順調は最大の危険

そうなる理由として、
「順調な人生を送っていると、慢心が起こって有頂天になったり道を外しやすいから、結果的に自ら墓穴を掘って落とし穴にハマる。」ということが考え得るわけですが、今日の本題はそこではありません。

慢心でもなく有頂天でもない、ごく普通の真面目で頑張り屋の方が意外と落とし穴にハマってしまう盲点とは一体どこにあるのでしょうか?

こうなりやすい方の特徴は、幼少期から優秀であるとか、積極的に行動できる、興味があることにはどんどん挑戦していく、親御さんからの期待も高く自分の目標も高い、というようないわゆる出来る方に多くみられます。特に、偶然でも意図的であったとしても幼少期に吉方を使っていた人はその傾向が顕著です。

吉方というのは、自分の目標や叶えたいことが通りやすくなる、言わば追い風の環境です。
そんな吉方の環境に子供の頃から浴していると、自分の努力が実る体験を小さいうちからより多く経験しやすいため、自然と自信も出てくる。それが現状に満足せずより高みを目指す傾向にも繋がり、人生全体がハイレベルになりやすいのです。

また吉方ではなくても、幼少期に使った方位によっては、自分の目標に向かってどんどん邁進するタイプへと成長していくことがあり、吉方を使っていた人と似たような人生になることがあります。

この両者とも、一般的に見たら人生のエリートと見られることもあるでしょう。
ただ、自分の限界をはるかに超えた極限の生活をしている人も多いのです。

肉体的にも精神的にも自らのキャパシティーを超える活動を長期間しているにも関わらずその生活が慢性化して当たり前になっているため、本人もその異常さに気が付いていなかったり、または気が付いていてもその生活を止めたら今までの努力や立場が…というような思いからその生活にブレーキをかけられない人を見受けます。
若いから大丈夫!今までもこれくらいやってきたから!と自分を奮い立たせ、自分の目標へと一歩一歩近づいていくのですが、その生活を続けていると…。


そもそも、目視は不可能なので信じられないかもしれませんが、私たちは誰にでも自分のキャパシティーとなる運の器(先天運)を持っています。
その器は、概して子供時代の方位作用や家相の影響など複数の要素が関係して出来上がり、成長とともに器の容量が大幅に増えることはありません。

ですから、元々自分に備わっている容量以上の無理をすると、道を外した処世となって体調不良や病気をしたり、事故をしたり問題が起きたり…といった災難現象=落とし穴にハマります。
逆に考えると、その極限の生活をストップさせるために落とし穴に落とされるのですが…。


しかし普通に考えると、自分が良かれと思って必死に努力することは悪いことではないため、自分の処世が原因で落とし穴にハマったと気が付ける人は多くありません。
自分はこんなにも頑張っているのに落ちるなんて… 運が悪い… そう理解する人もいるはず。

けれど、幸せな人生を送るために、理想の暮らしをするために一生懸命努力していても、自分を剋してまでそれを貫くと【悪】になるのです
別の表現をするなら、体裁良く道を外した状態(自己バランスを欠いた処世)でしょうか。

無理をしてまで理想の人生を手に入れても、心身がある程度健康で、比較的に穏やかな人生でなければ結局上辺だけの幸せに終わってしまうわけで、あくまで物心の調和がとれた状態を真の幸せだと考えます。

人生の波とその落差

落とし穴にハマった人は、ある日突然、落っこちた!!と感じるものですが、実はそのずっと前から前兆となる危険サインは出ているものです。
ただ、そのサインは非常に小さなアクシデントや体調変化などとして出てくることが多いため、それが前兆だなんて気が付かずに見過ごしてしまうことがほとんど。
結局そのまま無理を重ねて… となるケースが一般的です。

何事も極度に無理をし過ぎないこと(自覚していない人が多い)が自己バランスを保つ秘訣!
一般通念での悪いことは勿論ダメですが、仮に良いことであっても度が過ぎた処世には必ずお灸が据えられるのがこの世の掟。ほどほど…が一番身を守る生き方です。

こう見てくると、人生が順調というのはとても喜ばしいことではあっても、人によってはその反動もあることがわかります。途中やってきた前兆によってアクセルを弱められればよいですが、そのままブレーキを踏まず突き進んでしまう事例が多いことを鑑みると、それが人間の欲なのかもしれませんね。
開運を目指すものの、順調すぎることは果たして良いことなのかどうなのか…。
そう考えさせられます。

これは健康と行動の関係にも似たようなところがあります。
非常に健康な人は、多少無理をしても暴飲暴食をしても、持ち前のパワーで乗り切り、すぐにはその影響が体に表れません。でもそれが蓄積すればドッと大きな余波が返ってきます。
一方、あまり健康でない人は自分のペースで物事を進めるし、自分に合った食生活を心掛けそれ以上悪化しないように努める。だから、元気旺盛ではないけれどほどほどのところを維持できます。
運もこれと全く同じ。

ですから、人生の乱降下があまり大きくない人は、平凡ではあるけれど手堅い人生を歩んでいるとも言えます。
人生に満足しているわけではない「まぁまぁ」と回答した方も、実は広い世間で考えると案外幸せな方だったりもするわけですね。ご本人は全くそう思わないでしょうが…。
視点を変えるとまた違った見方ができ、表面だけでは人生の善し悪しなんて判らないもんです。

ともかく、自分なりの幸せに近づけるよう、自分を上手くコントロールしながら生きていくことがポイントですね。

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