どんな分野や世界であっても、玉石混淆は普通のことで、特別驚くことでもないかもしれません。
一口に気学と言っても、世間にはこれも気学？というようなものもありますし、また鑑定する側も実にピンキリだからです。
まず、相手を信用できなければ、そこに開運を託すことなんてできませんし、そもそも人生をかけて運を良くしよう！という発想だって浮かびません。
鑑定を受けるお客様側も、何か違うな！ちょっと信用できないな！と感じることがあれば、迷わずセカンドオピニオンを受けてください。
色々当たってみることで新たな発見や出会いが生まれ、真の改運にも近づくはずです。
脅しの開運
ある時、こんな電話がかかってきました。
「そちらの先生に鑑定してもらったんですが、あまりにもショックなことを言われたので違う先生に再鑑定をしていただくことはできますか？」とおっしゃるご婦人。
えっ？ えぇー？？
自分が気が付かないだけで、お客様にそんなにも不快感を与えてしまったのか！？と、内心焦る私。
いやでも…、ご婦人との会話が今一つかみ合わない…。
ということで詳しくお話を伺うと、鑑定したのは私でも父でもなく、結局のところ当会とは全く関係のない方だったということが判りまして、もう～内心ホッとしました。苦笑
ご婦人によると、鑑定した方は園田真次郎のお弟子さん？系統から学んでいるとかで（皆さんそう言いますが…笑）、何やら当会所属の先生だと勘違いをなされたようです。
誤解は解けたものの、ご婦人は相当なご立腹で、私に事の経緯を勢いよく話してくださいました。
それによると、ご婦人とご主人は、ひょんなことからご自宅の家相が気になるようになり、その先生の鑑定を受けられたそうです。
すると、現居に転居した方位が悪い！ということで、すぐに引越しを勧められたそうなのですが、
このまま引越しをしないと高校生の息子が自死する！とまで言われたそうなのです。
気学を全く知らなかったご夫妻は、新築して数年で再転居を勧められたことにまず大きなショックを受け、さらに最愛の息子の死をいきなり宣告されたことでとてつもない不安が募ったのでしょう。
その流れで当会にお電話をいただいたようでした。
方位作用だの気学だの全く解らなければ、いきなり強烈なことを言われても信じられない！という気持ちがある反面、でも、もし本当にそうなってしまったらどうしよう…、と狼狽されてしまうのも無理はありません。
もし私も気学を知らない母親だったら、同じように冷静ではいられなかったはずですから。
だから私はご婦人に申しました。
「ご家族の資料を拝見してみないと、どの程度の凶方を使っていて息子さんにどの程度の影響があるのかは申し上げられない」と断りつつ、
ただ、「仮に大凶を犯していたとしても、凶方数年でそこまでの出来事が起こるとは考えにくく、いつが要注意な年ということは判っても、その時期に具体的に何が起こるかまでは判りません！」
とお話しました。
気学は、透視や霊視ではありません。
世の中にはそのような特殊能力を備えている方もいるでしょうが、気学はあくまでもお客様から頂戴した資料から過去の動きや方罪を精査し、注意を事前に促したり、改運策をお伝えしております。
そこで、この年に一白の凶方を犯したから〇年に一白の方罪が現象化しやすいとか、この年に九紫をつかったから▲年に九紫に関係した方罪がはっきり出てくるだろう、といった見立てになるわけです。
しかし、各九星の範疇は広く、気学の解説に出てくるような代表的な象意だけが現象化してくるわけではありませんので、具体的にピンポイントで何が起こるかなんて人智では絶対に判りません。
現に、全く予想もできていなかったことが個人においても、世の中でも起こっているのがこの世です。
そういった意味からすると、ご婦人を鑑定した方はもしかしたら特殊能力を有していたのかもしれませんね。でも、仮にそうであったとしても、お客様を過剰に不安にさせる言動は逆効果だと思うのです。
なぜって、恐怖を植え付けられて素直に再転居をする人もいるかもしれませんが、逆に気学に不信感を抱き、気学離れを起こす人も多いように感じるからです。
第一、凶方を犯していたとしても、新築して数年なのに再転居できると思いますか？
実際に実行なさったお客様を存じ上げていますが、９９％以上ほぼ不可能です。
信じるべきかもわからない相手から子供の死を宣告されても、現実的には再転居なんて無理。
けれども、死の宣告が頭にこびりつく。
転居できない自分たちが自己嫌悪に陥り、息子への不安を抱えながら日々生活しなければならないなんて酷過ぎでしょう？
鑑定なんて受けなければ良かった、知りたくなかった、と絶望してしまったら改運なんて出来っこありません。
ですから、現状が吉方ではないこと、居住年数が経過していくと少しずつ問題が現象化しやすい事実はきちんと伝えるべきですが、必要以上に不安を煽ることはしません。
言葉でこちらが細かく伝えなくても、時間が経過すれば状況は徐々に変化し、
やはりこの家が良くないのかな…？ 引っ越すべきかな…？ とご家族皆様がお感じになるほうが気学離れも起こしにくく、改運のチャンスにも乗りやすいためです。
当然、そこにたどり着くまでにはかなりの年月を要するはずですが、早々に改運脱落するよりはよっぽど良いと感じています。
種蒔きが遅くなったとしても、改運して運の土台を整えることが人生１００年時代を乗り切るための一助になってくれるはずです。
恐らくですが、あのご婦人は気学なんてもう懲り懲り！と内心お感じなんだろうな…と、何となく感じました。救えた人を救えないというのは… 残念なことです。
気学を出しに使う輩たち
世の中には悪い連中がわんさかいるものです。
弱っている人々の心に付け込んで、多額の献金をさせた宗教団体が話題になりましたが、気学を語って悪さをしている輩も世の中にはいるという事実を知った時、本当に心底がっかりしたのを今でも思い出します。
それはある女性のお客様の自己体験談を聞かせていただいた時のこと。
その女性は気学の勉強をするためにある教室を訪ねたところ、そこの人間から身体に霊が付いているので除霊？するとか何とか言われ、身体を触られた挙句、乱暴されそうになり逃げ帰ってきたとのこと。
後日、ご友人に相談されたところ、当会をご紹介いただいたそうで、その後私共で気学を学んでいただけたのは幸いでした。
そんな体験をされたら、気学トラウマになっていたかもわからないですからね…。
実は、それに似たような体験だったり、もっと酷い被害に遭っている方もいらっしゃるという話を昔、耳にしていたのもあって、リアルな体験談を直に伺い、私も怒りの込み上げが大きかったのかもしれません。
もう、こんな輩は気学でも何でもない！
他者を導き救うと謳いながら平気で道を外しまくる、こういった人間は、何れ相応の因果を受けることとなるでしょうね。当然のことです。
本当は気学のきの字も使ってほしくない思いですが、こういった輩が至る所に紛れ込んでいる玉石混淆の世の中で私たちは生かされています。
ですので、お客様側はそれを見分ける目と運が必要です。
運命学に限らず、どんな世界にでも悪い人間はいますから、自分達が災難に遭わぬよう常に自分の身を守るアンテナを張っておかねばなりません！という話でした。
今回はモヤっとする内容で申し訳ありません。
でも、これが世の中の実体で、善と悪、これこそ陰陽のバランスとも言えますね。