兄弟でも違う、それぞれの道

子育て

今週から新しいNHK朝の連続ドラマが始まりました。
その中のシーンで、ヒロインは妹が明確な将来目標を持っていることに対し、未だやり甲斐すら見つけられていないことに劣等感を抱き、また妹は自分より姉の方が親に愛されていると感じ複雑な心境に陥る…。
というような場面がありまして、とても印象的でした。

なぜ印象に残ったかと言うと、私にも妹がおり、少し似たような経緯があったからです。
長女の私は表面的な良い子ちゃんを演じるのが嫌になってしまい、高校へ入ってからは自由奔放な生活をしていました。
妹は、気ままに生きる姉を見てきたせいか、私とは対照的に優秀で真面目な学生生活を送っていたと思います。

そんな正反対な2人が大人になり、一緒にお酒を飲めるようになったある時、妹から衝撃的なことを聞かされ固まったことがありました。

「実は昔、さっちゃん(私)のことも、お父さんお母さんのことも好きじゃなかった」と…。

このビックリ発言に驚きとショックで言葉が詰まったものの、なぜ妹がそう思っていたのか、恐る恐る聞いてみました。

親の思いと子の見方は一致しない


妹曰く、「自由に生きる姉は、勉強や生活に関して常に両親から心配されていた。私が色々頑張っても、結局両親は姉のことしか心配していない。だから家族が好きではなかった。」
とのこと。

妹がそんな苦痛を抱いていたとは全く気が付かず、無神経にも好き勝手に生活していた私は妹を傷つけていたと思うと申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
それでも打ち明けてくれたことに感謝しています。

もちろん、両親だって妹のことを蔑ろにしていたわけではなかったはずですが、私に手がかかっていたばかりに両親の目が常に私に向いていたと、妹からすると自分は愛されていない。と感じていたのでしょう。


きっと両親は、私たち姉妹に形や時期は違っても同じような愛情を注いでくれていたのではないか?と想像します。
けれども、妹からすると同じような愛情はもらっていない。と感じている


実際に私も子育てをしていて、息子が幼稚園くらいの時に、
「なんでおねーちゃんは〇〇なのに、ぼくは△△なの!! おねーちゃんばっかりずるいよ!!」
と訴えられたことがありました。

私からすると2人には同じように接していたつもりでしたが、息子の目には不公平だ!と映っていて、親と子で全く違った見方なわけです。

いくら親が〇〇なつもり、と思っていても、それが子供の心に届いていなければ親の勝手な思い込みでしかありませんし、子供の不公平感が積もり積もれば、兄弟不和や親子不信に繋がってしまうことだってあるのです。

子育てに追われていっぱいいっぱいの時は、そこまで考え配慮する余裕は正直なところありません。
でも、兄弟円満に、良好な親子関係を築いていくには、幼少期から思春期の一番大切な時期に親がどこまで気がつき、行動するか?にかかっているように思います。

陰と陽


同じ兄弟、姉妹であっても全く違う人生を進んでいくことはざらにあります。
同じ親から生まれているのに、どうしてこうも違うものか?と感じるほど、考え方や価値観も、好みも人生の成り行きだって違います。

その違いが起こる出発点は、やはり幼少期に受けた刺激(親子関係・環境の善し悪しなど)が違うから。
同じ両親に育てられても、兄が育った時期の両親の状況と、弟が育った時期の家庭環境が違えば、両親の心の状態も違い、子育ての仕方にも接し方にも違いがあって当然です。
ロボットが子育てをする訳じゃありませんから、人間である親は常に心の波があって、その影響を子供がモロに受けていると言うことです。


ですから、兄弟間でも考え方や物の見方が違うのは当り前ですね。
基本となる考え方が異なれば、人生の流れ方が変わってくるのも当然です。
どっちが良くて、どっちが悪いではなく、親から受けた原点をその方なりにプラスに向かうよう進めていけばよいのではないでしょうか?

現に、妹は私と全く違った人生を歩んでいます。
気学とは無縁の職に就いていますが、社会に揉まれながらも懸命に働いている様子を伺い知り、私とは違った環境に生きる彼女を尊敬しています。
何事にも陰陽があるように、兄弟・姉妹にも陰陽があってそれで良いんだなと感じさせられます。

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